WEBサイトを運営する上で、URLの正規化は必須です。これが出来ているか否かでサイトの評価が左右されます。
そして正規化については「WEBサイトの立ち上げ時」にこそ知っておくべきです。WEBサイトを作成した時は出来るだけ早く正規化を行うことが推奨されています。
正規化する方法は301・302リダイレクトかrel=canonicalとする方法がありますが、ここの違いについて詳しく理解せずに使用しているサイトが多いように見受けられます。これは好ましくありません。
本稿では、以上の違いを解説します。それに加えて、人間とクローラがページをどう捉えるかの違いも合わせて紹介するので、SEOにも役立つでしょう。
ちなみに、タイトルに対する結論は【全く違う】です。それでは詳しく見ていきます。
URLの正規化とは?
① 内容が同じ、または似ているWEBページ(重複コンテンツ)のURLを1つにまとめること
② http・httpsやwww有り・無しなど、複数のURLでWEBサイトにアクセスできないようにURLを1つにまとめること
以上がURLの正規化です。例えばWEBサイト立ち上げ時に、以下の状態でアクセス可能だとします。
https://example.ne.jp
http:// example.ne.jp
https://www. example.ne.jp
http://www. example.ne.jp
https:// example.ne.jp/index.html
http:// example.ne.jp/index.html
この状態で運営を続けることで考えられるデメリットは、大きく2つあります。
デメリット
・Googleが別ページと認識する
・被リンクの分散
全く同じサイトであるにも関わらず別のWEBページだと認識されると、重複コンテンツだと判断されてしまい、ペナルティを受ける可能性があります。
さらに、被リンクを貰ったとしても上記6つでリンク数がばらけてしまい、評価がなかなか上がりません。
だからこそ、WEBサイト立ち上げ初期に出来るだけ早くURLの正規化を行うことが重要です。
正規化の種類
ここからはより具体的な種類について見てみましょう。3つの違いについて理解することで、どの手段がどういった場合に最適なのかがわかります。
301リダイレクト
パーマネント(永続の)リダイレクトとも呼ばれます。その名の通り、URLが変更された場合に永続的に転送することを意味します。※リダイレクトは転送という意味
もっと簡単に説明すると、「URL“A”に来た人はこっちのURL“B”に自動で転送させてね」という設定です。
この301リダイレクトは、先ほどの例のように複数のURLでWEBサイトにアクセスできる場合や、WEBサイトを引っ越しする場合、特定のページを大きく(だいたい8割以上)書き換える場合に使用します。
元々のWEBページの評価を引き継ぐことができるので、SEOにも大きく関わってきます。
302リダイレクト
301が永続的なリダイレクトであったのに対し、302は一時的なリダイレクトです。
元々はメンテナンス時や、サーバートラブルが起きた時に使われていました。しかし2017年以降はGoogleが仕様を変更したこともあり、ほとんど301と同じ動きをします。
数ヶ月単位で302リダイレクトを継続していると、Googleが「たぶんこの302は、301のつもりで使われているんだろうな」と勝手に判断してくれるようになりました。
ただ、WEBページの評価の引継ぎに時間がかかるのは302の方です。したがって、現在302リダイレクトを使用する意味はほぼありません。301を使いましょう。
rel=canonical
重複コンテンツの中でどれを最優先させるかを伝えるものです。
サイトを運営する上で、同じような内容のWEBページが出来てしまうのは仕方のないことです。最もインデックスさせたいWEBページ(正規ページ)を指定するために、この記述を行います。
rel=canonicalの301・302リダイレクトと違う点は「クローラ用の情報」だということです。
301・302リダイレクトはURLを転送するので、クローラもユーザーもページAからページBに転送されていました。
一方rel=canonicalでは、ユーザーは別のWEBページへ転送されることなく、重複コンテンツを見ることが出来ます。
例えばスマホサイト・PCサイトのURLが別々の場合や、同じ商品のカラーバリエーションによって複数のページが出来た場合などに、どのページをインデックすればよいのかをクローラに伝えるために使用されます。
URLを正規化する方法
ここからは実際に設定するときの方法です。まず、301・302リダイレクトについてですが、先ほどの説明のように302は必要ないので301だけ紹介します。
301リダイレクト
.htaccessファイルに直接記入します。レンタルサーバーを使用している方は、サーバーの管理画面から編集が行えます。
そうでない方はテキストエディタなどで作成し、この.htaccessという名前で保存すればすぐに作ることができます。それを反映させたいディレクトリに、FTPソフトを使ってアップするだけです。
.htaccessファイルに以下の記述を行うことで301リダイレクトができます。
・http→httpsへサイト全体をリダイレクト
RewriteEngine on
RewriteCond %{HTTPS} off
RewriteRule ^(.*)$ https://%{HTTP_HOST}%{REQUEST_URI} [R=301,L]
・www無しに統一
RewriteEngine on
RewriteCond %{HTTPS_HOST} ^www\.optimum\.ne\.jp
RewriteRule ^(.*) https://optimum.ne.jp/$1 [R=301,L]
rel=canonical
HTMLのhead要素の中に記述します。記述方法は以下の通りです。
<head>
<meta charset=”UTF-8″><meta name=”viewport” content=”width=device-width, initial-scale=1″>
<meta name=”description” content=”福岡の格安ホームページ制作・英語対応のホームページ制作会社の公式サイト。”>
<title>福岡の格安ホームページ・英語対応ホームページの株式会社OPTIMUM</title>
<link rel=”canonical” href=”https://インデック登録させたいURLの絶対パス”>
<!–省略–>
</head>
link要素の中で使用します。
使用上の注意点
なぜURLの正規化を行うのかを明確にした上で、正しい正規化を行うように心掛けておきましょう。ページの評価やSEOに集中し過ぎることによって、クローラが混乱してしまう事態を避けなければなりません。
大切なことは、その正規化はユーザーのためなのかクローラのためなのかを区分することだと考えます。そうすることで、自ずと301リダイレクトをすべきなのかrel=canonicalとすべきなのかが見えてくるでしょう。
また、.htaccessは繊細なファイルです。バックアップをとった状態でテストしてみて、正常に動くかどうかの確認までしてから一般公開しましょう。